取引相場のない株式、いわゆる非上場株式の純資産価額(相続税評価額)を評価する際は、金額が大きくなる傾向が強く相続税が多く算出される可能性があるためとても重要な財産です。評価にあたり重要な点として思いつくのは下記のようになります。
会社の経営状況
会社の経営状況は、その株式の価値に大きな影響を与えます。会社が健全に経営されている場合、その株式の価値は高くなる傾向があります。一方、会社が経営難に陥っている場合、その株式の価値は低くなる傾向があります。
税理士は、会社の財務諸表や決算書などを分析することで、会社の経営状況を把握します。また、会社関係者へのヒアリングや、業界情勢の調査なども行うことで、より精度の高い評価を行うことができます。
会社の資産状況
会社の資産状況も、その株式の価値に影響を与えます。会社の資産が多い場合、その株式の価値は高くなる傾向があります。一方、会社の資産が少ない場合、その株式の価値は低くなる傾向があります。
税理士は、会社の資産台帳や固定資産台帳などを分析することで、会社の資産状況を把握します。また、有価証券や不動産などの評価額を算出することで、より精度の高い評価を行うことができます。
会社の負債状況
会社の負債状況も、その株式の価値に影響を与えます。会社の負債が多い場合、その株式の価値は低くなる傾向があります。一方、会社の負債が少ない場合、その株式の価値は高くなる傾向があります。
税理士は、会社の貸借対照表などを分析することで、会社の負債状況を把握します。また、将来の支払い義務となる負債も考慮することで、より精度の高い評価を行うことができます。
評価方法の選択
取引相場のない株式の純資産価額は、以下の2つの方法で評価することができます。
原則的評価方式と特例的評価方式です。純資産価額は原則的評価方式の中で適用される評価方法となります。
純資産価額は、相続税評価額ベースの純資産価額から評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額により評価する方法です。特例的評価方式は配当還元方式に基づき、過去の配当金額から株式の価値を資本還元する方法です。収益還元法に基づくアプローチといえます。
税理士は、会社の状況や納税者の意向などを考慮して、適切な評価方法を財産評価基本通達に基づき選択します。
評価額の算出
上記の点を踏まえて、税理士は、取引相場のない株式の純資産価額を算出します。算出方法は、以下のとおりです。
純資産価額 = (相続税評価額ベースの総資産の価額 – 相続税評価額ベースの負債の価額) – 評価差額に対する法人税額等相当額
総資産の価額は、会社の資産を原則として相続税の評価に洗い替えて算出します。負債の価額は、会社の負債を原則として相続税の評価に洗い替えて算出します。評価差額に対する法人税額等相当額は、相続税評価額による純資産価額と帳簿価額による純資産価額の差額に法人税率を乗じて算出します。
図解

なお、図解で示す通り評価会社が保有している取引相場のない株式を評価する際は、評価差額に対する法人税等相当額を控除しないため、注意が必要です。相続税に大きな影響を与えることとなります。
上記の算出方法を正確に適用することで、適切な評価額を算出することを目指します。また、税理士は、評価額の算出結果を、国税庁の財産評価基本通達の定めに照らして、合理的であることを確認します。
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