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はじめに
「実家を兄弟で半分ずつ相続した」 これ、相続実務では「もっともやってはいけない相続」の一つとして数えられます。 その時は「仲が良いから半分ずつでいいよね」で済んだ話が、10年、20年経つと、持ち主が亡くなり、その子供たちへ……と権利が分散し、取り返しのつかない権利のクモの巣状態を作り出します。
今回は、共有名義の不動産がなぜ将来の世代にとって「負の遺産」になるのか、そしてどう解決すればいいのかを解説します。
共有不動産が引き起こす「3つの致命的トラブル」
1. 「家賃トラブル」の勃発
例えば、兄が実家に住み続け、弟は家を出ている場合。「兄が家を使っているなら、弟に家賃相当分を払うべきではないか?」という対立が起きることがあります。仲が良かった兄弟でも、金銭が絡むと一気に溝が深まります。
2. 「意思決定の塩漬け」
共有不動産を売却したり、リフォームしたりするには「共有者全員の同意」が必要です。もし共有者のうち一人が認知症になっていたり、音信不通になっていたりすれば、不動産は「動かせない資産」となり、価値が激減します。
3. 「権利のクモの巣化」
共有者の誰かが亡くなると、その子供たちに持分が相続されます。これを繰り返すと、一つの土地に数10人の相続人が関わることになり、誰の同意を得ればいいのかも分からない、いわゆる「所有者不明土地」の入り口に立たされることになります。
共有名義を解消するための「出口戦略」
共有名義の状態から脱出するためには、早めの決断が必要です。
換価分割: 不動産を売却し、現金にしてから法定相続分で分ける。最もトラブルが少なく、きれいな解決策です。
代償分割: 一人が不動産を単独所有し、その代わりとして他の兄弟に現金を支払う。不動産を維持したい場合に有効ですが、支払うための現金が確保できるかがポイントです。
持分のみの売却: 自分の持ち分だけを第三者に売る。ただし、買い手がつきにくく、価格も安くなるのが一般的です。
まとめ:資産は「分ける」ではなく「形を変える」
不動産という「分割しにくい財産」を、そのままの形で兄弟で分ける(共有する)ことは、今の円満を維持するための先送りに過ぎません。
相続税の申告において、共有不動産の評価や、解消のための分割協議書作成は非常に高度な専門知識を要します。税務上の評価と、登記上の権利関係、そして将来の処分可能性。これらをトータルで考えられる専門家へ相談し、共有名義を解消する「出口戦略」を今すぐ検討しましょう。
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