親族間売買とは?
親族間売買とは、その名のとおり親族間で不動産を売買することです。法律上の親族とは民法725条に定義されています。
民法725条
親族とは配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族をいうとされています。
例えば、本人からみて配偶者の叔父叔母は3親等内の姻族であるため、親族に該当します。
札幌市役所HP公開資料より参考
親族間売買では税法上の優遇特例を使えない場合が多い
下記のような不動産売買では、通常の第三者間売買であれば使えたはずの税法上の優遇特例が使えない場合があります。
■親子間、夫婦間、同一生計親族間の売買
■家屋の売却後その家屋で同居する親族間での売買
■内縁関係にある人、特殊関係にある法人(例えば、議決権割合50%超を保有しているような支配関係にある法人など)との売買
上記のような売買で適用できない特例は、例えば次の通りとなります。
措置法35条① 居住用財産の譲渡所得の特別控除(マイホーム譲渡の3000万円特別控除)
措置法35条③ 空き家に係る譲渡所得の特別控除(被相続人から取得した空き家の3000万円特別控除)
措置法31の3 居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例(10年超保有していた場合の軽減税率の特例)
マイホームを買い替えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
などです。
このほか、住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン減税)は、同一生計親族から対象財産を新築取得増改築等した場合では適用できません。他方、同一生計でない親族からの対象財産の新築取得増改築等をした場合では適用できる可能性があります。
なお、親族や知人からの借入金はすべて、住宅借入金等特別控除の対象となる借入金には、該当しないこととなります。
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例規定は、配偶者や親族など一定の特別の関係がある人から住宅を取得した場合には適用を受けることができません。
親族間売買では住宅ローンは金融機関側が消極的であるため審査が厳しいことが多い
大手メガバンク、財閥系、ネット銀行系でも親族間売買に関しては住宅ローン審査は厳しいことが多いです。場合によっては、事前審査すらしてくれず「親族間売買は受け付けておりません」とはっきり明言している金融機関もあります。
親族間売買の流れ
登記簿謄本(全部事項証明書)を確認する
法務局から取得し、権利関係を確認します。所有権や抵当権が事前情報通りかどうかを確認します。親族間なので記憶があいまい、情報があいまいなことも多くあります。しっかり確認しましょう。場合によっては、所有権移転登記や抵当権抹消登記を司法書士に依頼しましょう。
不動産価格の相場を査定する
不動産鑑定士に依頼するのがベストです。不動産鑑定士以外が査定した不動産価格は不動産鑑定評価基準上の正常価格とはいえないのです。最高裁判例でも不動産価格は正常価格で判断することとなっており、正常価格を鑑定できるのは不動産鑑定士だけです。
不動産鑑定士以外の機関が作成する査定書は無料です。タダの商品ほどあてにならないものはありません。お金をもらえない仕事を真剣にやる人はいるでしょうか?
裏を返せば有料とすることは法律上できないこととなっています。不動産鑑定士が作成した不動産鑑定評価報告書のみが有償のものであり唯一無二の正常価格を示すものとなります。無料の査定書は、無料であるがゆえに根拠が適当であることが多く、曖昧な知識を基に作成されています。不動産鑑定士、税理士(相続税評価額を0.8で割り戻すなどにより適正な時価を算定することは税理士でも可能です)など専門知識をもつ国家資格保有者に依頼すべきです。
売買契約を締結し、決済、引き渡しを行う
親族間とはいえ、将来の言った言わない問題を防ぐために売買契約書を作成し、両者合意のもと締結し保管しておくことをおススメします。場合によっては、不動産は相続により子や孫にまで関係していくことなのでよほどの事情がない限りは、契約書を締結しておいた方が良いでしょう。
その後、契約書に定めた方法で代金の決済、引き渡しを行います。代金の決済は、銀行振り込みが良いでしょう。入出金取引のデータが残るため客観的な証拠となります。
決済、引き渡し完了後、所有権移転登記を行います。登記手続きは司法書士に依頼することをおススメします。
親族間売買に係る費用
不動産の売主に係る費用
〇印紙税(不動産売買契約書に印紙を貼り付けます)通常売主と買主で折半負担します。
参考:国税庁HPNo.7108不動産の譲渡等に関する契約書に係る印紙税の軽減措置(~令和6年3月31日)
これによると、令和6年3月31日までに作成されるものについては、例えば「記載された契約金額が1千万円超~五千万円以下」のときは「1万円の収入印紙を貼り付け」ることが必要となります。
〇抵当権抹消費用(売主に係る費用)
〇住宅ローンの残債を一括返済したときは一括返済手数料(売主に係る費用)
〇譲渡所得税(売却益が発生した場合、売主に係る費用)
〇印鑑証明書、固定資産評価証明書などの行政へ支払う発行手数料(売主に係る費用)
不動産の買主に係る費用
〇印紙税(上記売主の項目参照。通常は売主と折半負担)
〇登録免許税(買主に係る費用)
参考:土地の売買や住宅用家屋の所有権の移転登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置
売買した不動産の名義を変更するには、所有権移転登記を行います。
・土地:所有権移転登記⇒登録免許税=固定資産税評価額×1.5%(軽減措置~令和8年3月31日まで)
・建物:所有権移転登記⇒登録免許税=固定資産税評価額×※0.3%(軽減措置~令和6年3月31日まで)
※建物の軽減措置0.3%の適用を受けるためには、登記の申請書に住宅用家屋の所在地の市区町村長の証明書(住宅用家屋の床面積が50㎡以上であること等の一定の要件を満たす旨の証明)を添付の上、その住宅用家屋の新築または取得後1年以内に登記を受けなければなりません。
〇不動産取得税(買主に係る費用)
土地:固定資産税評価額×50%×3%(特例税率)
建物:固定資産税評価額×3%(特例税率)
詳細は都道府県ホームページにて確認することをおススメします。
参考:神奈川県 マイホームを取得した方の不動産取得税軽減措置適用判定コーナー(減額C)
〇抵当権設定登記費用(買主に係る費用)(住宅ローンの担保として抵当権を設定する場合)
〇住宅ローン事務手数料・保証料・印紙税(買主に係る費用)(買主が住宅ローンを利用する場合)
〇印鑑証明書、住民票の写しなどの行政へ支払う発行手数料(買主に係る費用)
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