【有限会社の相続】株じゃないから安い?は間違い!「出資」の評価と節税の落とし穴_114

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はじめに

「うちは株式会社じゃないし、資本金も当時の300万円のままだから、相続税なんて関係ないよ」 そんな風に思っていませんか?実は、2006年の会社法施行によって「特例有限会社」として存続している多くの企業において、その「出資(持分)」の評価額が経営者の想像を超えて膨れ上がっています。

「株」という名前ではないものの、税務上の扱いは株式会社とほぼ同じです。今回は、見落とされがちな有限会社の評価方法と、相続で損をしないための注意点を専門家が解説します。


有限会社の評価は「株式会社」と同じ!計算の仕組みを解説

有限会社の出資の評価は、原則として「非上場株式の評価」と同じルールで行われます。会社の規模や資産状況によって、主に以下の3つの方法を組み合わせて計算します。

1. 類似業種比準方式

似たような業種の上場企業の株価をモデルにして、自社の「配当・利益・純資産」の3要素で評価する方法です。一般的に、次に説明する「純資産価額方式」よりも評価が低くなりやすい傾向があります。

2. 純資産価額方式

「今、会社を解散したらいくら残るか」という視点で評価する方法です。会社の持っている現預金、不動産、有価証券などの時価から負債を引いて計算します。

3. 配当還元方式

同族株主以外の、いわゆる「少数株主」が引き継ぐ場合にのみ使える特例的な評価方法です。これに該当すれば評価額は劇的に下がりますが、後継者が引き継ぐ場合には使えません。


なぜ有限会社の評価額は「想像以上に高く」なりやすいのか

現場でよくあるのが、「資本金は300万円なのに、評価額は1億円を超えていた」というケースです。なぜこれほどのギャップが生まれるのでしょうか。

  • 長年の利益の蓄積: 創業から30年、40年と堅実に経営してきた会社は、毎年の利益が「利益剰余金」として内部に積み上がっています。これが純資産を押し上げ、評価額を高くします。

  • 不動産の含み益: 昔買った本社ビルや工場の土地が、当時の帳簿価格のままになっていませんか?相続税の計算では「今の時価」で評価し直すため、評価額が跳ね上がる要因になります。


放置は危険!「名義出資」が引き起こす税務調査の恐怖

有限会社に多いのが、設立時に親戚や知人の名前を借りて出資者にした「名義出資」です。 「名前を貸しているだけだから、税金はかからないだろう」というのは大きな間違い。実質的な所有者が亡くなった経営者本人であるとみなされれば、それらはすべて相続財産としてカウントされます。

税務署は、出資時の資金の出所や、配当金の受取人を厳鋭にチェックします。相続が発生する前に、これらの名義を整理しておくことは必須の対策です。


出資評価を下げるために、今からできること

  1. まずは「現在の評価額」を知る: 敵を知らねば対策は立てられません。まずは税理士に現在の評価額を計算してもらいましょう。

  2. 計画的な贈与: 評価額が低くなっているタイミング(業績が一時的に下がった時や、大きな設備投資をした後など)を狙って、後継者へ贈与を進めます。

  3. 事業承継税制の検討: 一定の条件を満たせば、相続税・贈与税の納税が猶予・免除される制度もあります。


まとめ

有限会社は「歴史がある」からこそ、その価値が知らぬ間に膨らんでいるものです。「うちは大丈夫」という思い込みが、次世代に多額の納税負担を強いることになりかねません。

3月の確定申告シーズンを終え、落ち着いて将来を考えられる今こそ、一度自社の「出資の価値」を正しく把握してみませんか?

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投稿者について

松尾大志

■九州・福岡県出身 1979年11月生まれ 妻と子3人家族 犬好き 
■松尾大志税理士事務所 代表税理士 所属:東京地方税理士会 平塚支部 登録番号:143396
■税理士試験5科目官報合格 
合格科目 簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・相続税法
■事務所経営の傍ら、㈱TAC税理士講座「相続税法」非常勤講師を兼務
■平均年齢65才以上といわれる税理士業界では、若手に分類されるアラフォー税理士です。
若さを活かしフットワークの軽い、話の分かる税理士であることを信条にしています。
■相続税申告、生前贈与対策、事業承継対策、準確定申告、贈与税申告、不動産評価、未上場株価評価、相続手続き代行を中心にお客様の安心のためのお手伝いをさせていただいております。ご要望を傾聴し、心に寄り添えるような仕事を目指しています。
■経歴
・相続税申告100件以上、株価評価100件以上、不動産評価100件以上の相続税評価実績あり
・東証一部上場企業㈱キャピタルアセットプランニングにて、相続事業承継コンサルティング業務に従事
・複数の税理士法人にて相続税申告、事業承継対策、法人税申告、所得税申告、消費税申告、財務経理アドバイザリー業務に従事
■これからの展望
・不動産好きが高じ、ついに不動産鑑定士の資格取得を決意。2024年合格予定? 事務所経営の傍ら日々勉強中
税理士×不動産鑑定士のダブルライセンスを目指す。相続税申告、生前贈与対策、不動産評価、株価評価に特化した組織経営を目標に一歩ずつ日々前進しております。
連絡先 e-mail:matsudai1117@gmail.com ☎090-5481-8126※営業の電話は固くお断りします。お仕事のご依頼お見積りご相談専用の電話番号です。

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