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はじめに
相続税申告を受任し、無事に期限内に申告を終える。それは専門家として最低限の義務ですが、プロとして本当に目指すべきは「申告後の税務調査で指摘を受けない、盤石な申告書を作ること」です。
申告書を出した後、数年後に税務調査が来て、そこで否認され多額の追徴課税を払うことになれば、せっかくの節税も台無しです。今回は、調査官がどこを見て、どこを突っ込んでくるのか。その「防衛術」についてお話しします。
税務署は「グレーゾーン」を狙い撃ちにする
税務調査の現場で調査官は、最初から「この金額を否認してやろう」と狙っているわけではありません。彼らが確認するのは「計算の根拠が合理的か、見落としはないか」という点です。
特に以下の2点は、調査の際によく議題に上がります。
名義預金: 妻や子の名義になっていても、原資が夫(故人)であり、実質的に管理していたのが夫であれば、相続財産とみなされます。「名義があれば大丈夫」という甘い考えは、調査官には通用しません。
土地評価の根拠: 土地の形状が特殊であったり、私道が含まれていたりする場合、その評価をどう弾き出したのか。図面や現地写真といった「客観的なエビデンス」がないと、後からいくらでも言い訳ができてしまうため、調査官はそこを突いてきます。
調査官を「納得」させるための魔法の添付資料
私が申告業務で最も時間をかけるのは、実は計算そのものではなく「申告書に添付する資料(エビデンス)の整理」です。
申告書には、「どのようにその評価額を算出したか」というプロセスを記した資料を別途添付します。たとえば、土地の評価であれば、「なぜこの補正を行ったのか」を説明する現地写真や図面を一枚添えるだけで、調査官が抱くはずの「疑念」が「納得」に変わります。
「質問される前に、答えを置いておく」 これが、税務調査を回避する最強の防衛策です。
アフターフォローで築く一生涯の信頼
申告が終わった後のクライアントは、「本当にこれで大丈夫なのだろうか」と、意外と不安を抱えています。 申告から数年経った後に「無事、時効を迎えました(調査が来ませんでした)」と伝えることは、クライアントにとっては何よりの安心であり、それが次の相続対策や、親族への紹介に繋がります。
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