【税理士が教える】今回の相続で「節税」しすぎて損をする?「2次相続」を見据えた遺産分割の黄金律_133

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はじめに

相続税申告の現場で、クライアントから最もよく聞くご要望。それは「とにかく今回、配偶者が払う税金をゼロにしたい」というものです。

お気持ちは痛いほど分かります。しかし、税理士として冷静に計算すると、「今回、配偶者が目いっぱい財産を相続してしまうと、配偶者が亡くなった時の『2次相続』で、子供たちが支払う税金が激増する」というケースが山ほどあります。 「1次相続の節税」だけを見て「2次相続」を忘れると、トータルで見れば「大きな損」をする。これが相続の残酷な真実です。

1次相続で配偶者に寄せすぎると起きる「爆弾」

「配偶者の税額軽減(1億6,000万円まで無税)」は最強の特例ですが、これに頼りすぎると、以下の2つの爆弾が将来破裂します。

  1. 配偶者控除の罠: 今回無税でも、配偶者が亡くなればその財産は子供たちに相続されます。その際、配偶者控除は使えません。

  2. 基礎控除の減少: 2次相続では、被相続人(配偶者)が亡くなることで、相続人が減り、基礎控除額が「3,000万円 + 600万円×相続人の数」という計算式において縮小します。

つまり、1次相続で「目先の税金」を減らした結果、2次相続では「税率の高い領域」にまで財産が持ち越され、家族全体ではより多くの税金を払うことになるのです。

「2次相続」を見据えたベストな分け方の戦略

では、どうすればよいのか?鍵は「家族全体で払う税金の総額を最小にする」という視点です。

  • 小規模宅地等の特例の活用: 自宅の土地などは、誰が相続するかで評価額が最大80%変わります。これを1次で使うか、2次で使うか。その土地の評価額と、他の相続財産のバランスを見極める必要があります。

  • トータルシミュレーション: 「今回、配偶者が〇〇円相続した場合の1次相続税」と、「その後の2次相続で子供たちが負担する税金」を合算し、その合計が最も低くなるラインを探ります。

  • 配偶者以外への相続: あえて配偶者に相続させず、子供たちに分散して相続させることで、将来の税率を下げ、2次相続での相続税を大幅に抑える戦略も有効です。

まとめ:相続は「パズル」である

不動産、現金、生命保険、そして誰が相続人か。これらはすべて、将来の税額というパズルのピースです。

今回の相続案件を受任した今、松尾さんがすべきことは、申告書の作成だけではありません。「5年後、10年後に配偶者が亡くなった時、家族の資産はどうなるか?」という未来図を描き、今回の申告とセットで最適解を提案することです。

「申告終わりました、お疲れ様でした」ではなく、「これで次の相続も安心ですね」と言える。そんなプロの仕事こそが、クライアントが次にまた何かあった時に、「あの先生にお願いしたい」と戻ってくる最大の理由になるはずです。

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投稿者について

松尾大志

■九州・福岡県出身 1979年11月生まれ 妻と子3人家族 犬好き 
■松尾大志税理士事務所 代表税理士 所属:東京地方税理士会 平塚支部 登録番号:143396
■税理士試験5科目官報合格 
合格科目 簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・相続税法
■事務所経営の傍ら、㈱TAC税理士講座「相続税法」非常勤講師を兼務
■平均年齢65才以上といわれる税理士業界では、若手に分類されるアラフォー税理士です。
若さを活かしフットワークの軽い、話の分かる税理士であることを信条にしています。
■相続税申告、生前贈与対策、事業承継対策、準確定申告、贈与税申告、不動産評価、未上場株価評価、相続手続き代行を中心にお客様の安心のためのお手伝いをさせていただいております。ご要望を傾聴し、心に寄り添えるような仕事を目指しています。
■経歴
・相続税申告100件以上、株価評価100件以上、不動産評価100件以上の相続税評価実績あり
・東証一部上場企業㈱キャピタルアセットプランニングにて、相続事業承継コンサルティング業務に従事
・複数の税理士法人にて相続税申告、事業承継対策、法人税申告、所得税申告、消費税申告、財務経理アドバイザリー業務に従事
■これからの展望
・不動産好きが高じ、ついに不動産鑑定士の資格取得を決意。2024年合格予定? 事務所経営の傍ら日々勉強中
税理士×不動産鑑定士のダブルライセンスを目指す。相続税申告、生前贈与対策、不動産評価、株価評価に特化した組織経営を目標に一歩ずつ日々前進しております。
連絡先 e-mail:matsudai1117@gmail.com ☎090-5481-8126※営業の電話は固くお断りします。お仕事のご依頼お見積りご相談専用の電話番号です。

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