【民法】94条2項類推適用・意思外形非対応型~第三者に無過失まで要求される事案~_027

事案
甲土地の所有者Aによって、甲土地につきB名義で仮登記がされたところ、Bが勝手にその仮登記を本登記に改め、善意のCに甲土地を売却し、Cが登記を備えた。
AがCに対して、所有権に基づく妨害排除請求として抹消登記を請求した。Aの請求は認められるか?※直接的に悪いことをしたのはBだがAにもやや小さい帰責性が認められます。このとき本来は善意の第三者であれば保護されるところ、善意は当然としてさらに無過失まで充足されることで保護するという多数説です。

1.Aの請求が認められるためには、Aが建物所有権を有していることが必要である。

2.まず、BC間の売買契約当時、Aは建物所有権を有していた。そして登記に公信力はない以上、無権利の登記名義人であるBから建物を買い受けたCは、
Bから建物所有権を取得できない。また、AB間には通謀虚偽の意思表示もない以上、Cに94条2項を「直接」適用することもできない。
従って、所有権はAに帰属しているのが原則である。

3.しかし、94条2項の趣旨は、虚偽の外観作出につき帰責性のある権利者の犠牲のもと、かかる外観を信頼した第三者を保護するという権利外観法理にある。とすれば、①虚偽の外観②権利者の帰責性③第三者の信頼という要件を満たした場合には94条2項を「類推」適用できると解する。

本件では、①B名義の虚偽の本登記が存在する。では②Aに帰責性が認められるか?確かにB名義の本登記は、A自らが作出したものではない。
しかし、Aは自らB名義の仮登記を作出しているところ、これとB名義の本登記とは強い関連性が認められる。よって、B名義の本登記についてもAに帰責性が認められる。

では③第三者の信頼はどうか?確かに94条2項が類推適用される場合には、権利者の帰責性が大きいのが通常である。
そのこととの均衡から、第三者の無過失は不要なのが原則と解する。しかし本件ではAはB名義の本登記を自ら作出したものではないため、帰責性がやや小さい。
そこで110条の法意にも照らして、例外的に無過失を要すると解する。従って、Cが善意無過失の場合に限りCは甲土地の所有権を取得する。
よって、Cが善意無過失の場合にはAの請求が認められないが、Cに過失があればAの請求は認められる。

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投稿者について

松尾大志

■九州・福岡県出身 1979年11月生まれ 妻と子3人家族 犬好き 
■松尾大志税理士事務所 代表税理士 所属:東京地方税理士会 平塚支部 登録番号:143396
■税理士試験5科目官報合格 
合格科目 簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・相続税法
■事務所経営の傍ら、㈱TAC税理士講座「相続税法」非常勤講師を兼務
■平均年齢65才以上といわれる税理士業界では、若手に分類されるアラフォー税理士です。
若さを活かしフットワークの軽い、話の分かる税理士であることを信条にしています。
■相続税申告、生前贈与対策、事業承継対策、準確定申告、贈与税申告、不動産評価、未上場株価評価、相続手続き代行を中心にお客様の安心のためのお手伝いをさせていただいております。ご要望を傾聴し、心に寄り添えるような仕事を目指しています。
■経歴
・相続税申告100件以上、株価評価100件以上、不動産評価100件以上の相続税評価実績あり
・東証一部上場企業㈱キャピタルアセットプランニングにて、相続事業承継コンサルティング業務に従事
・複数の税理士法人にて相続税申告、事業承継対策、法人税申告、所得税申告、消費税申告、財務経理アドバイザリー業務に従事
■これからの展望
・不動産好きが高じ、ついに不動産鑑定士の資格取得を決意。2024年合格予定? 事務所経営の傍ら日々勉強中
税理士×不動産鑑定士のダブルライセンスを目指す。相続税申告、生前贈与対策、不動産評価、株価評価に特化した組織経営を目標に一歩ずつ日々前進しております。
連絡先 e-mail:matsudai1117@gmail.com ☎090-5481-8126※営業の電話は固くお断りします。お仕事のご依頼お見積りご相談専用の電話番号です。

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