【民法】94条2項虚偽表示の無効は善意の第三者に対抗することができない→類推適用とは?_026

そもそも94条2項の趣旨は、虚偽の外観作出について帰責性がある権利者の犠牲のもと、かかる外観を信頼した第三者を保護するという権利外観法理にあります。
そこで、①虚偽の外観②権利者の帰責性③第三者の信頼という3要件を満たした場合には、たとえ94条1項の要件を満たしていなくとも、なお94条2項を類推適用できると解していくのですね。

【事案】
建物の所有者Aが、建物について勝手にB名義で所有権登記をしたところ、係る登記を無過失で信頼したCが、Bから建物を買い受け、登記を備えた。AはCに対して所有権に基づき妨害排除請求として抹消登記を請求した。Aの請求は認められるか。

【不動産鑑定士試験ベースの解答例】

1.Aの請求が認められるためには、Aが建物所有権を有していることが必要である。

2.まず、BC間の売買契約当時、Aは建物所有権を有していた。そして登記に公信力はない以上、無権利の登記名義人であるBから建物を買い受けたCは、Bから建物所有権を取得できない。また、AB間には通謀虚偽の意思表示もない以上、Cに94条2項を「直接」適用することもできない。従って、所有権はAに帰属しているのが原則である。

3.しかし、94条2項の趣旨は、虚偽の外観作出につき帰責性のある権利者の犠牲のもと、かかる外観を信頼した第三者を保護するという権利外観法理にある。とすれば、①虚偽の外観②権利者の帰責性③第三者の信頼という要件を満たした場合には94条2項を「類推」適用できると解する。本件では、①B名義の虚偽の登記が存在する。また②かかる登記はAが自ら作出しているためAの帰責性が認められる。さらに③CはB名義の建物登記が虚偽であることにつき善意無過失である。

従って、94条2項類推適用によりCは建物の所有権をAから承継取得する。よってAの請求は認められない。

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投稿者について

松尾大志

■九州・福岡県出身 1979年11月生まれ 妻と子3人家族 犬好き 
■松尾大志税理士事務所 代表税理士 所属:東京地方税理士会 平塚支部 登録番号:143396
■税理士試験5科目官報合格 
合格科目 簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・相続税法
■事務所経営の傍ら、㈱TAC税理士講座「相続税法」非常勤講師を兼務
■平均年齢65才以上といわれる税理士業界では、若手に分類されるアラフォー税理士です。
若さを活かしフットワークの軽い、話の分かる税理士であることを信条にしています。
■相続税申告、生前贈与対策、事業承継対策、準確定申告、贈与税申告、不動産評価、未上場株価評価、相続手続き代行を中心にお客様の安心のためのお手伝いをさせていただいております。ご要望を傾聴し、心に寄り添えるような仕事を目指しています。
■経歴
・相続税申告100件以上、株価評価100件以上、不動産評価100件以上の相続税評価実績あり
・東証一部上場企業㈱キャピタルアセットプランニングにて、相続事業承継コンサルティング業務に従事
・複数の税理士法人にて相続税申告、事業承継対策、法人税申告、所得税申告、消費税申告、財務経理アドバイザリー業務に従事
■これからの展望
・不動産好きが高じ、ついに不動産鑑定士の資格取得を決意。2024年合格予定? 事務所経営の傍ら日々勉強中
税理士×不動産鑑定士のダブルライセンスを目指す。相続税申告、生前贈与対策、不動産評価、株価評価に特化した組織経営を目標に一歩ずつ日々前進しております。
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