【民法】【不動産鑑定士】詐欺取り消し後の第三者は所有権を取得できるか?_029

詐欺取り消し後の第三者
Bの詐欺によりAがBに対して土地を売却し、Bが登記を備えたところ、AがAB間の売買につき、Bの詐欺を理由として取り消した。その詐欺取り消し後、Bが土地をCに転売しCは登記を備えた。Cは土地の所有権をAに対抗できるか?

1.Cが所有権をAに対抗できるためには、Cが所有権を取得していなければならない。ではCのような詐欺取り消し後の第三者が所有権を取得できるか。

2.仮に取り消しの遡及効121条を徹底すれば、詐欺取り消し後のBC間の売買は他人物売買にあたる。従って94条2項類推適用の要件を満たさない限り、Cは所有権を取得できないことになる。

ここで、取り消しの遡及効も一種の法的擬制に過ぎず、取り消しによって復帰的物権変動が生じたと解することも可能であると考える。そこで、詐欺による表意者と詐欺取り消し後の第三者は対抗関係に立つと解し、177条によって処理すべきと解する。この結論は、登記の有無という画一的な基準による不動産取引の安全を図ることが出来る点からも妥当である。

3.ACが対抗関係にたつところ、Cは登記を具備している。Cが背信的悪意者でない限り、CはAに対し所有権を対抗できる。

参考
※錯誤取り消し、強迫取り消し、制限行為能力取り消しについても同じ論証ができるらしい。
※なお、前提として詐欺取り消し後の第三者は96条第3項の「第三者」にあたらないことを触れておくとよい。時間に余裕があれば。

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投稿者について

松尾大志

■九州・福岡県出身 1979年11月生まれ 妻と子3人家族 犬好き 
■松尾大志税理士事務所 代表税理士 所属:東京地方税理士会 平塚支部 登録番号:143396
■税理士試験5科目官報合格 
合格科目 簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・相続税法
■事務所経営の傍ら、㈱TAC税理士講座「相続税法」非常勤講師を兼務
■平均年齢65才以上といわれる税理士業界では、若手に分類されるアラフォー税理士です。
若さを活かしフットワークの軽い、話の分かる税理士であることを信条にしています。
■相続税申告、生前贈与対策、事業承継対策、準確定申告、贈与税申告、不動産評価、未上場株価評価、相続手続き代行を中心にお客様の安心のためのお手伝いをさせていただいております。ご要望を傾聴し、心に寄り添えるような仕事を目指しています。
■経歴
・相続税申告100件以上、株価評価100件以上、不動産評価100件以上の相続税評価実績あり
・東証一部上場企業㈱キャピタルアセットプランニングにて、相続事業承継コンサルティング業務に従事
・複数の税理士法人にて相続税申告、事業承継対策、法人税申告、所得税申告、消費税申告、財務経理アドバイザリー業務に従事
■これからの展望
・不動産好きが高じ、ついに不動産鑑定士の資格取得を決意。2024年合格予定? 事務所経営の傍ら日々勉強中
税理士×不動産鑑定士のダブルライセンスを目指す。相続税申告、生前贈与対策、不動産評価、株価評価に特化した組織経営を目標に一歩ずつ日々前進しております。
連絡先 e-mail:matsudai1117@gmail.com ☎090-5481-8126※営業の電話は固くお断りします。お仕事のご依頼お見積りご相談専用の電話番号です。

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