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はじめに
相続税の申告で、意外と見落としや誤解が多いのが「葬儀費用」の取り扱いです。 「葬儀にかかった費用は全部引けるはず」と考えていると、後から税務署に「それは対象外です」と指摘され、ペナルティを含めた追徴課税を払う羽目になりかねません。今回は、相続実務で頻出する「葬儀費用の境界線」を整理します。
葬儀費用は「相続財産から差し引ける」!対象と対象外
相続税法において、葬儀費用は遺産総額から差し引くことができ、納税額を減らすことができます。しかし、何でもかんでも認められるわけではありません。
【控除できる(相続財産から引ける)費用】
葬儀・告別式の費用: 式場使用料、祭壇、棺、火葬・納骨にかかる費用。
お布施・読経料: 僧侶への謝礼。
手伝いの方への心付け: 葬儀をサポートしてくれた方への謝礼。
【控除できない(相続財産から引けない)費用】
香典返し: 葬儀費用とは別の個人的な贈与の対価と考えられます。
墓石・仏壇: 後述する「非課税財産」にあたるため、相続税の計算上は除外します。
法事費用: 初七日や四十九日などの法要は、葬儀とは別儀式とみなされます。
なぜ「香典返し」はダメなのか?税務署の論理
税務署の考え方は一貫しています。「香典」自体が「香典は非課税(所得税や贈与税がかからない)」という特別な扱いであるため、そのお返しである「香典返し」もまた、葬儀費用というよりは香典に対する対価であり、相続財産の減額対象にはならないという理屈です。
「墓石・仏壇」は相続税がかからない「非課税財産」!
ここで重要な裏ワザがあります。墓石や仏壇などは「祭祀財産」として、相続税が「非課税」になります。 つまり、亡くなった後に購入しても相続財産を増やすことはありませんが、生前に購入しておけば、現金という「課税対象財産」を、仏壇という「非課税財産」に変換できることになります。
高額な仏壇や墓地を購入予定の方は、相続が発生する前に支払いを済ませておくことが、実は強力な相続対策になります。
税務調査で突っ込まれないための管理術
税務署は「葬儀費用」の項目を細かくチェックします。特に「お布施」は領収書が出ないことが多いため、必ず「支払先(寺院名)」「金額」「日付」「何に対する費用か」をメモした控えを残しておいてください。
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